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船のエンジン

先日、日産が熱効率50%を超えるエンジンを開発しました。しかし、船の世界では多くのエンジンで熱効率50%を超えています。今回は、そんな舶用エンジンについて解説していきます。

 

熱効率とは

熱効率とは燃料を燃焼させたエネルギーのうち、どのくらいのエネルギーが電力や動力に変換されたかを言います。熱効率50%でちょうど燃料の燃焼熱の半分が動力に変換されているということになります。日本の実用化されている製品の熱効率の最高は火力発電所の63.08%で、燃料を使う製品はどれだけ頑張っても無駄になってしまうエネルギーが発生してしまうということになります。

 

船のエンジンは大きく分けて2種類

船のエンジンは、その燃焼方法によって、2ストロークエンジンと4ストロークエンジンの2種類があります。

 2ストロークエンジンは、エンジンピストン1往復で1回の燃焼を行うエンジンで、大型のタンカーやコンテナ船、ばら積み船といった200~300mを超える非常に大きな船のメインエンジンに使われます。

 4ストロークエンジンは、エンジンピストン2往復で1回の燃焼を行うエンジンです。4ストロークエンジンは2ストロークエンジンに比べて小さく作ることが出来るため、100m未満の小型の船やフェリー、RORO船のメインエンジンや多くの船の発電用エンジンに使われています。自動車のエンジンもこの4ストロークエンジンに分類されます。

このほかにもガスタービンエンジンなども存在しますが、今回は割愛させていただきます。

 

船のエンジンは「シンプルに」が基本

そんな2種類あるエンジンの中でも効率が高いとされているのは2ストロークエンジンの方です。2ストロークエンジンは、航海中壊れないように、壊れても修理できるようにということを考えられて設計されているため、シンプルに作られていることが特徴です。また、小さい力(2000馬力程度)を多くの回転数(600rpm程度)で伝える4ストロークエンジンとは異なり、大きな力(9万馬力)を少ない回転数(100rpm程度)で伝えることを設計思想としているため、余分な摩擦力が少なくなり、減速機(ギアボックス)も簡単にできるため、ギアボックスによるエネルギー損失も少なくなります。そのため、50%を超える熱効率を実現できているというわけです。

 

そんな大型エンジンもほとんどが外国ライセンス

現在舶用2ストロークエンジンは日本でも多く作られており、三井E&Sや日立造船などが有名なメーカーです。しかしながら、その8割はドイツのMAN B&W の設計が用いられています。日本にもジャパンエンジンコーポレーションという会社が設計している三菱UEエンジンというものがありますが、その世界シェアはたったの3.2%です。今後日本の企業によりシェアを取っていってもらえるよう頑張ってほしいですね!

 

もし、船に興味を持った方は次も確認してみてください

 

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