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【F1】実は使われているMGU-H 一体どこで使われている⁉

 ホンダの参戦(?)や日本人ドライバー角田裕毅選手の登場などで有名になっているF1。そこでは多くの技術が日々開発されており、その中には一般の乗用車にも応用された技術もたくさんあります。今日はその中でも、現在F1 に搭載を義務付けられているのに、乗用車には応用されず、今後廃止が確定しているMGU-Hというパーツについて説明していきます。

 

 

F1のPUについて

 今回説明していくMGU-HはPUと呼ばれる区画の中に存在します。PUとは、Power Unit (パワーユニット)の略で、車を走らせる動力を発生させる部分のことです。もう少しわかりやすくいうと、エンジンとハイブリッドシステムの総称のことです。

 PUはICUターボチャージャー、MGU-H、MGU-K、ES、CEなどの多くの機械が組み合わさって出来ています。それぞれのパーツの役割は次の通りです。

ICE (Internal combustion Engine)

直訳すると「内燃機関エンジン」で、所謂エンジンのことです。今の規則では、1.6L V6エンジンが使用されています。

ターボチャージャー

空気を圧縮させ、ICUに空気を送り込む機械です。

MGU-H  (Motor Generator Unit Heat)

直訳すると「熱エネルギー式モーター発電システム」で、ターボチャージャーの回転力を電気に変換するための部品です。2026年のPU規則改正時には廃止されることが決まっています。

MGU-K (Motor Generator Unit Kinetic)

直訳すると「運動エネルギー式モーター発電システム」で、高速で走行している車のエネルギーを電気に変換させたり、電気を使って車を加速させるための部品です。一般的にハイブリッドのモーターとして認識されるのは、このパーツです。

ES(Energy Store)

直訳すると、「エネルギー貯蔵部」で、所謂バッテリーのことです。

CE (Control Electronics)

直訳すると、「コントロール機器」で、その名の通り、PU全体を制御する部品です。

 

MGU-Hはどこに使われているのか

MGU-Hはズバリ、船のターボチャージャー発電機として搭載されています。車とは違い、船のエンジンは非常に大きく、エンジン馬力もエンジンの吸排気もとてつもなく大きいです。そのためターボチャージャーも非常に大きく、発電される電力量も無視するには勿体ないくらい大きくなります。現在は、海外との貿易に使われる、大型の外航船のエンジンによく使われており、主なメーカーとしては、三菱重工業や、東芝傘下の西芝電機などがあります。

 

船の効率化は他にも

地上から孤立して動力系や電力系を設置しなければならない船は、その性質上、独自の進化を遂げてきました。例えば、一時期F1での導入も検討された2ストロークエンジンは、現在海外製のバイクか船くらいにしか搭載されていません。他にも軸発電機という動力軸から電力を発電するというシステムも舶用機器独特のものです。

もし、F1PUや舶用機器に興味が出た方は、以下の書籍も参考にしてみてください!